船形山ブナ通信  2012年12月22日号

                                  『船形山のブナを守る会』
 

 

   
 

今年も
春が来ると
     いつもの春のように
 同じ事を思い
 同じ事をする
夏が来ると
     いつもの夏のように
 同じ事を思い
 同じ事をする
 秋が来ると        
   いつもの秋のように 
   同じ事を思い
   同じ事をする                         
冬が来ると
    いつもの冬のように      
 同じ事を思い
 同じ事をする
そして
            今年も暮れる
  日常のうちに
  無常を抱いて

  (福島原発事故後)
              俊夫
 
         
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<案内>  
2013年新春七ツ森登山 鎌倉山・遂倉山・たがら森
 
これらの山々は奥山に対しては里山ということになりますが、季節的には厳しい場面も想定される山です。
里山ならではの急斜面へ少量の積雪、西向きや北向き斜面の凍結度合などが複雑に関連するからです。
里山といえども侮るなかれという緊張感のもとに、来年早々の山行きを計画してみました。

期 日 2013年1月20日(日)   参加費(保険代含む) 500円
集 合 大和町    8時00分(駐車場南東側)

コースと所要時間は下記を予定していますが、積雪状況等で変更になります。
   南川ダム(四十八滝公園駐車場)→鎌倉山→遂倉山→たがら森→玉ケ池→駐車場
チーフリーダー:千葉文彰  サブリーダー:柏紀久夫 早坂修 三浦敏     
冬山登山となりますので防寒(手袋、ヤッケ)、スパッツ、かんじき(お持ちの方のみ)食糧(行動食、昼食)
など万全にしてください。
年末年始の運動不足解消には最適ですが、万全の体調で臨んでください。

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 「東北自然保護の集い」が11月3〜4日に青森県鶴田町で開催されました。

<第33回東北自然保護の集い アピール>

  197O年代から東北各地に多くの自然保護団体が結成されました。
当時は、分水嶺に迫っていく「ブナ伐採」を食い止めることが大きなテーマでした。
やがて東北の自然保護運動も大規模林道、ダム開発、スキー場開発、里山の保全、原発や核燃料再処理
工場など、様々な方向の反対運動へと拡大していきました。
 この運動は、国土開発の名のもとに東北の未開発地を食い物にし、都会のエゴや危険を押し付けるという
国政や企業との闘いでもありました。
 3・11の震災を境に、福島の農産物や電カが使えなくなり、日本の食糧やエネルギー、空気、水を支えてい
るという東北が果たしてきた役割が国民に明確となりました。
 今、私たちの運動は、東北の多くの仲間とのつながりを強化するとともに、日本国中の市民との連携が求め
られています。

 私たちは第33回東北自然保護の集いの討議を経て、次のアピールを宣言します。
1. 福島第一原発事故に伴う放射能汚染は深刻な状況です。脱原発を推進し
再生可能エネルギーへの転換を図ることは勿論ですが、自然破壊を伴う大規模な風力発電や地熱発電開発
を認めるわけにはいきません。エネルギー浪費社会から省エネルギー社会への転換に努力しなければなりません。
2. 原子力発電は、事故があれば膨大な自然破壊を招くことは福島原発が立証しています。
六ケ所村核燃料再処理工場、MOX燃料による大間原発、東通原発をはじめとする、東北地方の全ての原発
施設の廃止を求めます。
3.  仏沼の環境保全については、地域住民との協力関係をさらに深め、国や県に今後も環境維持のため水の
ポンプアップを続けるよぅ要請します。また、鳥たちの渡りの調査や生育地の環境調査を東北の仲間と協力して
実施し、その保護・保全に尽します。
4.  ダムに頼らない利水と治水について、原点に帰って見直し、生物の多様性を阻害するダムや堰堤を撤去し、
魚道の整備を含め山から海までの水と魚の循環を確立することを求めます。
5.  野生動植物の保護で、現在もっとも急ぐべき課題は、奥山の自然の中でサルやクマが安心して暮らせるように
広葉樹を保全し食糧となる堅果類(どんぐりなど)の保護・育成に取り組むことです。捕獲された動物たちの奥山放獣
が容易となる環境づくりを森林管理局に求めます。
    生息域の拡大を続ける二ホンジカに関しては、早急にし、適切な個体数の維持についての調査研究を進めます。
6.  東日本大震災が自然に与えた影響について、湿地や海岸林、そこを利用している鳥類や昆虫類などを含め調査
記録するとともに、復興や環境保全が進むよう「東北の自然保護の集い」で討議したことを基に次期岩手大会に向け
協力関係を強化します。                           
                                                             以上
                                                                                 
                              2012年11月4日    第33回東北自然保護の集い参加者一同

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宮城県古川高等学校の藤倉先生が一年生の生物の授業で、船形山のブナを守る会の活動を取り上げていただきました。
昭和62年に宮城県議会で採択された「ブナ林等の保全に関する決議」と平成14年、22年に宮城県知事へ提出した
「筒砂子ダム建設中止の要望書」を資料としての授業でした。
生徒の皆さんから感想文が寄せられました。すべてを紹介したいところですが、4名の生徒さんの分のみ掲載させてい
ただきました。

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【 寄 稿 】    脱原発に手を挙げる その5
                               大崎市三本木  Y川 R一
衆議院議員選挙での自民党勝利は予想されたことでしたが、単独で300議席ちかくまで獲得したのには驚きました。
えーっ、そんなに大差、と開票結果に不快と落胆、失望、恐怖、危機感の入り混じった大きなショックを受けました。
近隣諸国から右傾化を懸念されてる自民党は、その中でもタカ派の安倍晋三を頭に、改憲を唱え、原発容認でいます。
わたくしからしてみれば、どちらもとんでもないことです。過去の日本の歴史から何の教訓も引き出すことをせず、
むしろ美化していこうという流れです。原発については原子力規制委員会の判断に拠るといいながら、原発を再稼動し、
「電源構成のベストミックス」とやらで原発維持に進んでいこうとしています。これはほんと由々しき事態です。自民党は
衆議院選挙で圧倒的国民の支持を得た、だから国民の負託に応えるということで、強行に進めていくことでしょう。
しかし自民党の圧勝はかならずしも国民の大多数が改憲と原発再稼動・維持を積極的に支持したことの結果だとは
どうしても思えません。国防軍をつくりますか、集団的自衛権のもとに米国のいいなりになって軍を海外派遣するんですか、
フクシマのような原発過酷事故が再発したらどうするんですか。そう問われたら、自民党に投票しながらも答えに窮するひ
とがたくさん出てくるでしょう。今回の自民党の多数議席獲得は、ひとつに迷走を続けた民主党への愛想がつきたという
「いやけ」の表れであり、もうひとつには、いわば小選挙区という選挙制度のからくりのなせるわざだとおもいます。
けっしてすべてが自民党の積極的支持にまわったということではない、ということだと思います。為政者には、そこに気づい
てもらわないといけない、気づかせないといけない。国民の真意はいったいどこにあるか、を訴えないといけない。改憲には
国民投票という手続きと壁がありますが、原発再稼動阻止には保証された手段がありません。だからこそ脱原発に手を
挙げる必要性が高まってきている、というふうに昨日、今日考えさせられています。
11月3日に催された『女川原発再稼動を止める『‘12みやぎ秋のつどい』は当初予想の350人ちかくを結集し、成功裡のうち
に終わることができました。ブナの会も賛同いたしました。また、ブナの会の会員の方々も何人か出席してくれました。
本集いのメイン行事である田中光彦氏の講演は、説得力のあるすばらしいものでした。福島原発(1F-1)は津波襲来の前に
機能不全になっていた(東電はデータを捏造しながらも、ひたすら津波によると主張)、女川原発は一旦故障しているいわば
「被災原発」なので簡単に再稼動するのは危険である、女川原発は福島と同じマークT型(1号)とその改良型(2,3号)で
格納容器等に問題を抱える機種である、国とは別に県独自の公正・中立な検証委員会の設置(「柏崎刈羽方式」)の提案、
というところがポイントだったとおもいます。田中光彦さんの講演のあとには、近隣市・町で脱原発に取り組んで活動してお
られる首長或いは議員の方々からの、近況報告がありました。美里町長(ビデオレター)、女川町議員、大崎市旧鹿島台町長、
涌谷町議員、登米市議員の方々です。こころにつたわる、臨場感・迫力のあるおはなしでした。
11月3日の秋の集いをさらに展開させていこうということで、2月9日に講演会、3月16日に集会が企画されています。
2月9日は原発30キロ圏内の自治体に義務付けられている「原発防災計画」について、それでほんとうに住民を
守れるかを考えようとしています。
3月の催しについてはこれから肉付けをしていくことになりますが、3.11二周年にあわせての企画になります。
相談会や実行委員会にはできるだけ参加していくつもりでいます。詳細はまた、チラシ配布等でご連絡いたします。
ところで、震災、原発事故後、いろんな方々が来仙し、講演をされています。こんなことはなかなかないとおもいます。
わたくしも、最近では大江健三郎さん、赤坂憲雄さんの講演を聴講しました。いろんな方々のおはなしを聴きながら、
3.11とそれに続くフクシマとは何か、それがいままでの生き方、社会の在り方に何の見直しや変革を要求しているのか、
じっくり考えていきたいと思っています。
                       (’12.12.18記)


【 寄 稿 】       前船形山行きに参加して
                              利府町 O野 H美
前船形山お疲れ様でした。私は、昨年の薪上げと今回で二回目の参加でした。
今回は、紅葉を見たいと言う父と半ば強制的に彼氏と一緒に登りました。
父は行楽好きで普段よりどこでも歩いていましたが、歳も歳なので重い物は私が持てば良いか位の気持ちで
あまり心配はしていませんでした。
ただ、彼氏は普段の運動不足と初めての登山で大丈夫か?と気になりながらでした。
雨が気がかりでしたが、天気にも恵まれ心地好いスタート。多人数のお陰で、ゆっくりとしたペース&途中で
詰まって小休憩(?)もあり、二人とも前後の方々と会話をしながら、周りを見る余裕もあり良かったなぁと思っていました。
なんて言いながら本当は自分が一番心配でした(笑)。
昨年末に手首を骨折し、やっと自分の体を支えられるようになったばかりで
さほど運動もしておらず「息が上がらなければいいな」とちょっとハラハラしていました。
  山頂で船形山を見、「あそこを昨年登ったんだなぁ」と振り返り紅葉が綺麗だった事を思い出し、今年はちょっと
早かったかな?なんて思いながら眺めて鏡ヶ池へ。
水際で赤や黄に染まってる木が水面に映り込んでるのを見ながらのお昼ご飯。
山頂で取ったばかりのきのこを煮炊きし食べてる方々も居りましたね。山での食事は何を食べても美味しく感じられます。
この感覚と環境をいつまでも大事にしていきたいですね
  彼氏の運動不足解消と父の健康の為にまた参加させていただきます。

ありがとうございました、またよろしくお願いします。
最後に小関さんとお会いできなかったのが残念でした。
 

【 寄 稿 】   体験林業に参加して(H24年10月28日)
                               大崎市三本木  T手嶋 K衛
朝から曇り空で、すぐにでも雨が降りそうな天気模様でしたが、大和町のまほろばホールに、午前8時までに参加
する方々が集まって来ました。皆さん元気で溌剌とした表情で、受付をしていた私には頼もしく思われました。
33名の方が参加でした。
各自の車に相乗りし、旗坂キャンプ場に。笹刈り班と除伐班に分かれ、笹刈り班リーダーは佐々木壽さん、除伐班は
小関俊夫さんで、私は例年通りに除伐班に参加し、『258林班に3』の地点で除伐作業開始し、さすがに毎年除伐作業
の面々は、段取り良く除伐杉の受け口の下切りと、斜め切りの終わりの部分を一致させる技術で、感心する程の作業でした。
また作業に入る前、込み合っている森林の中で、伐採杉の方向性にも優れていて、かかり木の発生が無いように、危険を
察知するテクニックも身につけてきました。除伐した杉を30cmから40cmぐらいに輪切りして、そして薪割りをし、次回の
薪揚げの備えで作業終了しました。いずれも力作業で、いい汗をかいて腕が苦しくなる人もいましたが、怪我無く無事終
えた事は、ほんとうに良かったと思いました。また、作業終了と同時の雨が降り出し、我々の作業の邪魔をしない気配り
のお天気様でした。感謝!
笹刈り班も、小関陽子さんが下準備してくれた温かい「カモ汁」が、出来上がった頃合に作業を終えて、「カモ汁」を皆さんと
一緒にご馳走になり、感謝いたします。また、桐野幸喜さんから、秋田県で採ってきたキノコのサービスもあり、ほんとうに
美味しく頂きました。
食事後、体験林業の思いを一人一人お話をして解散しましたが、その話の中で、佐藤比呂子さんが、12年前の笹刈りで
「森が再生できるのは私がこの世に存在して、見る事は叶わない事でしょうね!」と思っていたのが「今年の笹刈り作業で、
森の再生を見る事ができた・・」と云う一言が印象的でした。「仙台のブナ林と水・自然を守る会」事務局佐藤雄一さんの
参加にも感謝申し上げます。
最後に、この第22回体験林業の中で、除伐材の有効利用を提唱した加藤慶昭さんの『思い』を大事にしたく、今年も
9月30日に船形山頂小屋に薪揚げ山行を行いました。
これからも、美しい自然を守るために、体験林業などを通して森の再生に参加したいと思います。


【 寄 稿 】   体験林業に参加して
                           大崎市三本木  Y川 C子
10月28日参加者30数名は朝8時にまほろばホールに集合。あいにくの曇り空で雨になるのではと不安を抱きながら、
それぞれ車に相乗りして出発しました。
私は、ぱっとしないお天気とはちがってややうきうきした気分になってました。今回はいつもいっしょの夫と別行動なのです。
彼は大江健三郎の講演を聞きに仙台に行くとかで、いそいそと私を送り出しました。でも、体験林業と日ごろ愛読してい
るらしい大江健三郎のどっちをとるか、けっこう悩んでたようですが。体験林業といっても彼のお目当ては、鴨汁と昼の
ビールにちがいありません。
9時頃旗坂キャンプ場に到着。支度を整えていよいよ出発です。
私たち笹刈班は佐々木寿さんを先頭に山道を登り始めました。ブナ林は目いっぱい色づいた葉が舞い散り、まだ10月
だというのに秋の終りを感じさせられました。一時間弱位登ったかしら、ところどころで寿さんから落ち葉の名前などを
説明して頂いて、それが小休止だったのか、疲れもなくすんなりと目的の一群平に到着することができました。
(うっちゃん、もう着いているでしょうね・・・)
一足先に登り始められたうっちゃんに、なかなか追いつけません。「うっちゃん早いね、もう着いてるのかしら」と、うわさ
しながら登っていると、目的地のどれぐらい手前だったかしら、寿さんの「いた、いた」という声が聞こえました。みんなで
「ワァー、いた!」の歓声。今回も楽しいエピソードありがとうございました。
作業に入る前に柏さんに笹を刈るに当たってのアドバイスをして頂き、それぞれ自分の持って来た道具を持ち、笹薮に
入り、作業に取り掛かりました。私は体験林業は始めてなので、剪定ばさみや鎌の使い方も分からず、大丈夫かしらと
たいへん不安な気持ちでいました。しかしやってみれば、皆さんほど捗らなかったかもしれませんが、どうにか剪定ばさ
みでも笹は切れるんだと自分なりに満足しながら一時間程作業させて頂き、鍋作りのために一足先に下山いたしました。
キャンプ場には間伐班の方たちが作業を終えて下りて来ていて、薪を焚き、かまどに湯まで沸かしてくれてました。予期
していなかったので驚いたものの、たいへん有難かった。
それと、前日から鴨肉や他の材料の下ごしらえをし、さらに現地ではてきぱきと段取りよく鍋を作る小関陽子さんにはい
まさらながら本当に頭が下がる思いです。感謝しながら、とても美味しく鴨汁をいただきました。雨は心配したほどは激
しく降らなかったものの、気温は上がらず、すっかり冷え切った身体を芯まで温めてくれました。
皆さんも温かい鴨汁を美味しく頂いたことでしょう。鍋は具はもちろん汁も一滴も残らずみごとに空っぽになりました。
夫から、もし鴨汁が残ったらタッパーに入れてお持ち帰りするよう懇願されてましたが、残念。彼の読みは相当浅かった
ようです。
山登り始めて一年半、縁あってたくさんの山に登ることができました。船形山に始まり、泉ヶ岳、蔵王、早池峰、月山、
鳥海山、秣岳、栗駒、剱岳などなど、いつもいっしょのかたがたにご迷惑をかけながらですが、短期間に実に多く登りました。
自分でも驚いています。そのたびごとにいままで長いこと暮していた都会では味わうことのなかったいろんな経験を積むこ
とができました。今回はまたこの体験林業に参加し、山は登るだけじゃだめだってこと、自然を大切に残して行かなければ
ならないということを、すこしは実感できたような気がしています。

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 皆様の熱い想いとカンパを頂戴いたしありがとうございました。
A田S子さん(太白区)  Y川R一さん(大崎市) S藤Y一さん(太白区)
S藤M夫さん(泉区)   S藤Yさん(大和町)  N来S子さん(塩釜市)
K崎K子さん(世田谷区)
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≪ 事務局後記 余白を拝借します ≫

今年のブナ通信も8号の発行となりました。毎回160通くらいの郵送にメール送信が50通ほどです。山頂やブナ林内での
集合写真もおなじみとなりましたが、その都度の写真を送付しています。
30〜50名ほどの人数となると必ずどなたかがその瞬間に目を閉じてしまいます。シャッターを押す時をねらって目をつぶ
るのですから早業(はやわざ)名人の方です。そんな方のために「たまに映ってない時もあるのでもう一度撮りまあーす」
と言いながら2枚目を撮ります。2枚撮った写真を比較すると皆さんの表情に微妙な差があります。誰かが冗談を飛ばしたり、
撮影する私がつまずいたりすると一同に笑みが広がります。当然笑みの多いのを送ることになりますが、目つむり名人さん
には別の全員がムッツリしている写真を送ることになります。
来年も笑み多い集合写真が撮れるようこける練習を重ねます。

「船形山ブナ通信」のEメール送信をいたしております。
hunagatabuna@vivid.ocn.ne.jp
 


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