船形山ブナ通信(WEB版) 2009年4月29日号

            『船形山のブナを守る会』  

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        「朽ちる」          小関 俊夫

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木々から   離れる枯葉のように ハラハラと 舞いおりて

時と共に 形がなくなり 地に帰る

葉は芽ぶき 緑輝き天に向う

紅く染って地に帰る

人間も 一枚の葉のように 「朽ちる」を知れば

木々の根元に 静かに 眠れる

・・・・・・・5月の行事案内・・・・・・・

≪ 森の再生、復元を願いながら ≫

第17回  体験林業  笹刈り、枝払い、間伐

我が船形山は新緑まばゆい季節到来となりました。葉づれの音、小鳥のさえずり、ブナ林からの木洩れ日にゆったりと身をおきたいところです。 

私達の森林再生への想いを胸一杯に膨らませながら心地よい汗を流しましょう。

期 日  5月24日(日)  小雨決行     

集 合  午前8時00分 大和町 (詳細別途)

    旗坂キャンプ場で@とAの班に分かれます。

参加費  500円

作業個所、作業内容、

@       58林班に3 小荒沢林道支線 杉造林地の除伐、枝払い

    必要な道具 : ノコギリ、ヘルメット(必携)

A 60林班る4 升沢登山コース一群平付近  笹刈り

    必要な道具 : 剪定バサミか稲刈り鎌など、ヘルメット(お持ちの方のみ)

   (比較的軽作業ですが多くの人数を必要としています。)

持ち物  昼食、雨具、軍手、食器(作業終了後カモ汁を予定しています)

服 装  蜂刺され防止の観点から黒い服は避けて白っぽい服装が無難です。

注意事項

@   事故なしの安全作業を最優先といたします。

A 各人の体力に合わせた無理のない作業時間と作業方法。

B 蜂アレルギー(過去に刺された経験があり不調を感じた方)、持病、
   体調不良の方はご遠慮ください。

C 刃物を使用しますので怪我のない作業を心がけてください。

 

 

・・・・・?3月26の毎日新聞に掲載された記事を転載しました ?・・・・・

広葉樹林再生営々と
「船形山のブナを守る会」25周年 今年もササ刈り、間伐        

スギの拡大造林計画を進める林野庁による船形山(1500b)のブナ原生林伐採に反対し、1985年結成された市民組織「船形山のブナを守る会」。

1999年に同山系での伐採中止を勝ち取った後、2001年から、ブナなど広葉樹の森の再生活動に取り組む。結成25年目の今年も春秋の2回、船形山中腹の国有林でササ刈りや間伐を行う。「水の恵みをくれる山への恩返し」と、同会代表世話人の小関俊夫さん(61)は話す。

守る会は、同庁が1999年に船形山中腹の朝日沢を中心にした約3000fの国有ブナ原生林を「植物群落保護林」に指定し、伐採を断念したことで、15年にわたる伐採反対運動の矛を収めた。

だが、林野庁の大幅人員削減で伐採跡地やスギ植林地が放置され、荒廃する現実があり、「広葉樹の森再生」に乗り出した。国有林50fを借り、2001年を皮切りに自然発芽したブナなどの稚樹の成長を助けるササ刈りと、スギ林間伐の両作業に毎年5月と10月、日帰りで励む。

足場の悪い地面、ブヨやハチに刺される危険性を越えての活動ながら、「新緑や紅葉の山や森と一体になる魅力にひかれる」と毎回、40〜50人の会員らが参加する。

この活動で、ササは冬季の風雪から稚樹を守っていることなどを知り、春と秋でササを刈る高さを変えている。当初はササの刈り過ぎで目立った稚樹の枯死も少なくなった。森の再生活動は営々と続く。

    (小原 博人)

 

【 寄 稿 】

     「3月1日 花染山観察会に参加して」

 昨年定年をむかえ、自宅で過ごすようになった。これからは思う存分山に行けると思っていたが、結構用事があり以前と同様のペースになってしまった。先日の観察会は久しぶりの船形山だったので、とても楽しい一日でした。

 青い空と白い雪、ブナの黒い姿、風も弱く黙っていても鼻歌がこぼれてきます。花芽を探す、写真を写す人、動物の足跡を観察する人、俳句を詠む人、それぞれに早春の山を楽しんでいた。そこで私も一句

    雪原に 写るブナの影 なまめかし

 歩きながら思う。私はいい遊び場と遊び仲間を知ったと。このステキな環境を自分の孫達にも残しておかなければと思いました。

 今日は雨。私たちがザクザク歩いたあの足跡も、ザザーツーとすべったすべり台の跡もみんな消えてしまったことでしょう。それを確認するためにもう一度あの場所へ行きたくなりました。     (3月6日)

(古川どっぽ山の会) A J子(女性)

 

      「初めて参加しました」

みなさんこんにちは。去る3月1日、「花染山のブナを見る山行」に初めて参加させて頂きました。現在私は宮城県森林インストラクター協会のピカピカの一年生で、この一年間、県民の森を中心とした森の整備作業の基礎訓練を受けているところです。

「花染山」には協会の竹内先輩に連れられて参加しました。全山雪に覆われた静寂の中に、厳然とした姿で稜線の彼方まで立ち並んでいるブナたちの光景は、想像以上の感動を与えてくれました。今回、小関代表から感想文を書くように仰せつかったのは、たぶん下山後もブナから受けた感動が私の身体から立ちのぼるのをご覧になったからではないでしょうか。

秋田県横手市で育った私は、中高生の頃からスキーに行ってもゲレンデから外れて森林の中を動物の足跡を辿りながら散策するのが好きでした。現在山登りが趣味の中心に有りますがそれは夏山だけで、ワカンをつけての雪中山行は今シーズンからのため今回の感動は私を中高生の頃にタイムスリップさせてくれました。

私が自然、特に森林を少しでも守ろうと森林インストラクターを志したのは「ブナたちへの懺悔の気持ち」からでした。灯油ストーブが無かった高校生のころまでの家の暖房はもっぱら「薪ストーブ」と炭のコタツでした。なにしろ公務員だった父親の給料には「寒冷地手当」ではなく「薪炭料」とありましたから。この「薪」がほとんどブナだったのです。

自然をこよなく愛していた父親もまさか「薪ストーブ」のためにブナの森が裸にされてその後に育たない高度まで無理やり杉が植えられているとは気がつかなかったことでしょう。

分水嶺から海までがほんのわずかの距離しかない細長い日本列島では、里や平野の田畑をうるおす貴重な雨水の貯えを太古の昔からかなりの部分をブナという樹木に負ってきました。雨水のみならず多くの動植物や沿岸の魚介類もです。このブナの果たす役割は世界的にも珍しい存在ではないでしょうか。この美しくも貴重なブナを守るために長年汗を流して活動を続けてこられた「船形山のブナを守る会」の皆様には心から敬意を表します。

この目的のために私もたとえ雀の涙ほどであっても何か活動を続けようと思っております。活動するフィールドは異なるかも知れませんが、今後ともどうかよろしくお願い致します。有難うございました。

(仙台市泉区) T I(男性)

 

      「早春の花染山山行に参加して」

3月1日、まさに早春という日差しを浴びながら花染山山行に参加させていただきました。「スノーシュー・ワカンは必携」とのことでしたが、何も持たない私はワカンをお借りしての参加となりました。それぞれの足回り支度でお集まりの皆さんは、適度に雪焼けをされていて雪山に慣れ親しんでいる方ばかりのようでした。スノーシューやワカン、山スキーの板など、いろいろあって私にとっては冬山の道具のカタログを見ているようで、初めて目にするものもありました。

いざ出発。確かにワカンを履くと雪の中に足が沈みませんが、歩幅を大きくしないと自分で自分のワカンを踏んでしまい、前進するどころかひっくりかえってしまいます。外股ぎみに歩くようにと教えていただき、何とか足並みをあわせ列のうしろに付いて行くことが出来ました。途中まで登ったとき後ろを振り返ってみると船形連峰の山並みと春の芽吹きを始めようとするブナの森が素晴らしい風景となって広がっていました。稜線では斜面に張り出した雪庇が陽で照らされ、まるでホワイトカーペットが空中へと続いているかのように見えました。

山頂手前の急登は汗だくで大変でしたが、てっぺんに着いた時には、みんなが敬愛する船形山が枝の間から見え、頑張ってここまで登ってきて良かったと思いました。そして参加者全員が頂上を踏み、皆で達成した喜びを味わいました。登山をするようになって、この目には見えない満足感というものを宝物のように思うことが出来る新しい価値観を得た気がします。

雪上でのランチタイムを終え、この心地よい時間をもっと味わっていたい、この風景をもっと眺めていたい、という気持ちを残しながらの下山開始となりました。

途中、林道のカーブミラーが雪に埋まり、私の背丈ほどの高さしかなくなっていて雪の深さを実感しました。

帰り道ではおしりを付いて急斜面を一気に滑り降りるのがスリル満点で、歓声をあげてしまい森の動物たちを驚かせてしまったのでは・・・?と反省しました。ゴール近くに伏流水が湧水となって流れ出ているところがあり、口に含んでみると甘く美味しく、この水を飲んでもう少し頑張れと、森が語りかけてくるような感覚を覚えました。

雪山=危険、と思い込んでいた少し前の自分が可笑しく思えるほど、とても楽しい山歩きでした。お世話になった皆さん、どうもありがとうございました。またご一緒させて下さいね。

          仙台市泉区 W Y子(女性)

 

     「雪山とそり」  (3月29日 「小荒沢源頭ブナ平〜三光宮」山行)

ぼくが一番心に残っていることは二つあります。

一つは、雪の多さです。ぼくは初めの方は、元気はあったのでみんなが歩いていないふかふかの雪の上を歩きました。もうそろそろ4月だというのに土が見えませんでした。ひとつ不思議に思ったことがあります。それは、木の周りだけドーナッツ型に雪が少なくなっているということです。ドーナッツ型だけでなく川のようにとてもきれいなもようがあるところもありました。なぜかな、と歩いていると風が強くなりました。ふと木の根元を見てみると、キラキラと光った雪が川のように流れていました。そして、その木の周りをぐるっと回りました。ぼくは風がくぼみを作っているのだと思いました。

二つ目は、下るときにしたそりすべりです。そりはふつう一回下ったらもどらないといけないけれど、山を下るときはずっともどることなく遊びながら下ることができました。雪がすごくとけだしていて、水分が多かったので、そりには最てきの雪でした。「がっーー」と音を立てながら、スピードを出して下るのは最高でした。とても楽しかったです。

                                      仙台市寺岡小学校6年   S R太郎 (男性)

        

     『黒森』と『花染』

3月29日に行われた「小荒沢源頭ブナ平〜三光宮」山行では天気にも恵まれ、見事なブナの純林を心行くまで堪能できました。

現地でもお話しましたが、あの場所は三方を花染山、三光宮、そして黒森というピークに囲まれているところです。唯一小荒沢に流れ落ちる東側だけがなだらかな斜面となって開けています。そのため潤沢な水分と栄養が供給されること、台風や冬の厳しい季節風が直接吹き込まないことが考えられます。付近のブナが通直で大径木が多いことの理由のひとつだと思われます。

巨木群の中でひときわ注目を集めた二本のブナの古木があります。共に4m近い胸高周囲です。堂々としていかにも「ブナ平」の主にふさわしい風格です。一方は幹に地衣類が付着し黒っぽく、木肌がごつごつしています。もう片方はいかにもブナらしく色白ですっくと伸びています。二本の大木はすぐ近くにあり、当日リーダーの千葉さんの話では、この二本は常に会話しているに違いないとのことでした。実際少し離れたところから見ると「夫婦ブナ」のように見えます。

昨年4月20日、会の行事として、千葉さんの案内で現地を訪れて初めてこの二本と対面しました。その時私はひそかに名前をつけました。それが『黒森』と『花染』です。木肌が黒っぽくごつごつした感じはたくましそうでいかにも男性的に見えます。こちらには南東側のピーク黒森(1136m)から名前をとりました。もう一本の方は色白ですらりと背が高く女性的雰囲気です。それでいて胴回りは夫よりもちょっぴり太く、肝っ玉母さんというところでしょうか。こちらには北東側のピーク花染山(1018m)からとりました。個人的には「はなぞめ」と濁らずに「はなそめ」と清音のほうが語感が良いのではないかと思っています。

これはあくまで私個人のネーミングです、皆さんもなにか素敵な名前を考えて来年もう一度会いに行きませんか。

(黒川郡大和町) K K夫(男性)

 

【 お便り紹介 】

いつもブナ通信を送って頂きありがとうございます。この処、笹刈りにも参加できず、心苦しく思っております。ブナ通信にて皆様方の自然を守る活動に接し、これからも活動が続きますようご期待申し上げます。                                                   (仙台市青葉区)Y J(男性)

皆様の熱い想いとカンパを頂戴いたしありがとうございました。

【 カンパのお便り紹介 】

 いつもブナ通信をお送り下さいましてありがとうございます。私は股関節を悪くして、山に登れなくなりましたが、ブナ通信で皆様の活動や想いを伝えて頂き、参加している気分になれてうれしいことです。今年も次々と行事の予定がありますが、下草刈りに参加出来ればいいのですが。
郵送費の足しにでもして頂くために気持ばかりのカンパを同封させていただきます。   
                                              (東京都世田谷区) K K子さん(女性)
 

(太白区)M Kさん (大崎市)C Mさん (美里町)H Hさん (大衡村)N Kさん (青葉区)H Nさん
(加美市)I Tさん (泉区)T Iさん (泉区)T Iさん (青葉区)Y Cさん (大郷町)S Kさん
(南三陸町)G Kさん (大崎市)K Tさん

 

【 事務局より 】 

「船形山ブナ通信」のEメール送信をいたしております。ご希望の方は下記事務局アドレスへご連絡ください。

aonm-ta@river.sannet.ne.jp

 

このページについての ご質問等は、 mt1500funagata@yahoo.co.jpまでお願いします。
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