船形山から黒滝初夏の便り

6月3日
06:00 T氏と沢遊びをするため、船形山へ向けて家を出ます。
船形山山麓の大倉川が今日のフィールドです。07:00に桑沼林道某地点で待ち合わせ、5分前に着いたが、T氏はまだ来ていないようだったので、キジ撃ちの準備をしているところにT氏到着。時間ピッタシでした。僕は升沢からでしたが、T氏は泉ケ岳から回ってきたとのこと、森の中の踏み跡をたどり沢の入り口へ。そこは、氾濫原といい沢の水が船形山に飲み込まれてしまい、突然沢が消滅してしまうという、とても不思議な場所です。沢が幾筋かに分かれている川原を上流に向かうと、左岸に細い滝があり、もう少し行くと岩盤の途中5m位の高さのところから、水が湧き出ています。とてもきれいな、おいしい水です。そろそろ、沢筋も一本に落ち着いて歩きやすくなってきます。新緑の季節は、もう過ぎていますが沢の両岸は、シロヤシオの花が満開で、初夏の緑と清冽な白色が混じりあい控えめのコントラストがとてもきれいです。


そして沢は、緑を映したどこまでも澄んだ水が、ナメ床を階段状に流れるように流れています。変な言い回しですが、本当にこんな感じなんです。山岳渓流は流れると言うよりも落ちるという感じですよね・・・。近くの森の中からは、ウグイスやホトトギス、他にも種類はよくわからないんですが、いろんな小鳥のさえずりが、遠くの森からはカッコーやツツドリの鳴き声が聞こえてきます。それは、とてもとても美しい渓なのです。

命が洗われる思いで、歩く渓も長くは続きません。両岸はどんどん狭くなり、二股の手前には泳ぎか高巻きでしか通れない、ちょっとしたゴルジュがあり行く手を阻みます。まあ盛夏だったら泳ぎも良いんですけど、今回は右岸を巻くことにしました。眼下に右股の滝と滝壷の全景が見えています。滝壷の直径は7〜8mくらいでしょうか、上から見ると岩盤にきれいな丸い穴が開いていて、あの穴は滝から流れる水がいったいどれほどの時をかけて、作り上げたものか自然の悠久の時の流れを感じさせます。この美しい自然をいつまでも壊すことのない様にと、ただただ願うばかりです。

高巻きを終え、沢に降り立つとここからは山岳渓流の様相が濃くなってきます。落差のある沢を詰めていくと、正面の斜面に雪が残っていて、標高の高さを感じさせます。左にカーブすると正面に、シロヤシオの後に落差20mくらいでしょうか、滝が現れます。黒滝です。落ち口の脇にもシロヤシオが咲いていて、ここもとてもきれいな滝でした。やっぱり滝とか渓流とかは、自分の足で歩き、苦労して行った所のほうが美しく見えますよね。

 

 

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千葉 文(B.Chiba)
宮城県黒川郡大和町吉岡
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