船形山から梅雨の合間の青空の便り

 6月24日、どうやら今日は晴れそうだったので、船形山に行くことにしました。ところが、旗坂に着いたら小雨模様。カッパを着て歩き始めますが、ブナ林の中なのでほとんど雨にあたりません。風もなくセミの鳴き声も今日はほとんどなく、聞こえるのは鳥のさえずりだけ。ブナの緑もどんどん濃くなり、もうすっかり夏のブナです。下のほうは、花も終わっているので、ちょっとペースを上げて先に向かいます。上に登るにつれ、じわじわと暑さがこたえ、カッパはすでに脱いでいるものの、Tシャツは汗でびっしょりです。数年前から肌着はすべて新素材のもの、ダクロンとかオーロンなんていうものに変えていますが、やっぱりいいですよね。一回着たらもう綿製品は着られませんよね。疲労度がぜんぜん違う感じで、夏もそうなんですけど、特に冬の汗冷え感の違いは大きいです。

 

 

三光の宮を過ぎるあたりから青空が広がり、山頂小屋がはっきりと見えます。不動岩のあたりは、タムシバの花が咲き、緑の中に白い花が輝いています。不動岩の手前にかつて鳥居があったのですが、今は朽ち落ちて柱が立っているだけです。夏場はヤブに隠れて気をつけないとなかなか見えませんが、冬場はこの大きな岩が大変有効な目印となります。
 梅雨の合間の青空は、いつになくきれいに見えます。青空と白い花の取り合わせは、私の好きな被写体の1つです。升沢小屋を過ぎ御沢掛に入れば、ついこの前まであった雪は、ほとんど消えていて、ここの沢を登るのも久しぶりです。雪の解けたところにはシラネアオイやショウジョウバカマが咲いていて、夏の中に春があります。



沢が左カーブになるところは、いつも遅くまで雪の残る場所で、ちょっとだけ雪渓歩きです。山頂に着けば、見下ろす景色も夏景色です。去年の今ごろは、稜線にシャクナゲが咲いていましたが、今年は、蛇ケ岳に向かう稜線上で、ちょっとだけしか咲いていませんでした。サラサドウダンやウラジロヨウラクもやはり花つきはあまりよくないようです。

山頂小屋で、一通りの管理人の仕事を済ませ、下山コースは、蛇が岳から草原に向かうことにします。一気に蛇が岳を越え、草原に下りますが、やはり雪はけっこう残っていて、今月いっぱいは消えることはないでしょう。先行する二人連れが、道を間違って沢の方に降りていくのが見えたので、雪の上を走って追いかけました。好天のせいか雪の下から、ユキシロがあふれ出ています。登山道はまるで沢のような水でした。もうじき雪が消え、トキソウやコバイケイソウが咲き始めることでしょう。


上の写真は、草原を先行する登山者と、雪の壁の上の青空と白い雲。蛇が岳って中新田町方面から見ると、この残雪がなんか蛇のように見えるので、そこから名前がついたのかと思っていましたが、「日本山岳ルーツ大辞典」によれば、「ジャガは、釈迦の意。山頂に釈迦像を祀ったか、山そのものを信仰の対象としたもの」とあります。でも、中新田・小野田方面から見てみると、本当に白蛇のように見えますよ。


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