ブナの会 花染山山行の便り

平成21年3月1日、「船形山のブナを守る会」の最初の年間行事、花染山山行に参加して来ました。
集合場所の大和町「まほろばホール」には、文字通りの春を思わせる陽気を期待して、初参加の方も含め総勢35名の会員が集まりました。集合時間には雲も多かった船形の空ですが、山へ向かう途中から青空が現れ、我々を暖かく迎え入れてくれる船形山の寛容さを感じずにはいられません。旗坂キャンプ場手前の駐車場で、それぞれに準備を進めますがブナの会の特徴を表すように、みんな自分のスタイル!統一性が全くありません。山スキーにクロカンスキー、登山靴にスノーシューから長靴にワカンジキと足回りのバリエーションの豊富さは当会ならではでしょうね。

 

 

小荒沢林道を大滝キャンプ場方面へ向かって歩き出しますが、締まった雪はツボ足でも充分快適に歩くことが出来ました。小荒沢を渡る手前から日差しも出始め、残雪と青空のコントラストが綺麗です。雪面にはカモシカ・テン・ノウサギ・リスなどの足跡が残り、ブナは春の陽をふんだんに浴びて動物も植物も厳しい冬を乗り越え、まもなくやってくる芽吹きの季節を心待ちにしているようです。
林道を1時間ちょっと歩き花染山の取り付きへ到着し、林道から数えて1本目の尾根を登り稜線へ出れば、そこは普段訪れる人が殆どいない別天地です。南側に張り出した雪庇の内側は、雪道を歩き、尾根の急斜面を登りきった頑張った人だけを迎えてくれる見事なホワイトカーペットのようです。この稜線を歩き続ければ、升沢コースの15番三光の宮へとたどることが出来ますが、今日は大人数の集団登山ですから無理はせず、山頂までの行程です。花染山の南斜面も林道からしばらくの場所まではブナの伐採が進み、杉の造林地となっていますが、840mのピークを過ぎたあたりからは綺麗なブナの原生林が広がっています。参加者は、それぞれのペース・スタイルで気持ちの良い稜線歩きを楽しんでいます。私たちは、ところどころで記念撮影したり、稜線からの展望を立ち止まって眺めてみたりと、日常生活とは違うゆっくりとした時間の使い方を楽しんできました。

山頂は穏やかで風もなく、残雪の上での昼食にはもってこいの天候でした。昼食の20分前からビールを雪で冷やしながら歩き、腰をおろして、おにぎりの包みを開く前に冷たいビールでカンパ〜イ!火照った身体にしみわたるうまさ!澄み切った青空、純白の雪面、目線には泉ケ岳へと続く船形連峰の山並み。この瞬間の為に今日の一日があったとしても過言ではないでしょうね。

 


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