船形山ブナ通信 2007年3月3日号 『船形山のブナを守る会』 |
川は誰のもの
山は誰の物
川は誰の物
海は誰の物
地球は誰の物
今すべて人間のものにしている
絶滅する生物がいるから
「生物多様性」という言葉が出てくる
「 ひと色に染めるな・・ 」
自然界はそもそも多種多様な生物が複雑に絡み合って成り立っているわけで、今さら「生物多様性」、その保全といわなければならないほどにそのシステムを破壊したのは人間。効率性やら経済性で始まったスギの植林による山の荒廃が問われ出しても、さらに奇妙な美意識で杉並木やコスモス、バラ、芝桜など単一種を集中的に並べて悦に入っている。ごく一時期、見頃を楽しむだけの単位種の物量作戦が、およそ自然とかけ離れ、「生物多様性」と相反するものであるとの認識がなかなか浸透しないのは、なんとももどかしい。マスコミは相変わらず格好の季節の話題としか捕らえていないし・・。さらに人間の心や思いまでひと色に染めようと、教育基本法を変え、改憲を目指す危険性とあわせて、もっと画一化や単一化への危機意識が必要ではないか。
(自然通信2月号より)
ダムを造る
土建屋のために
下流域住民の安全の為
水資源確保の為にと
しかし
川に魚はいない
小関 俊夫
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早春の船形山中・升沢小屋(行事案内)
里山や街中の木々に芽のふくらみが感じられます。一ヶ月も早い季節のあゆみに戸惑いを感じながらも活動の時期到来です。陽光まばゆい船形山塊に踏み入らせてもらい、新築された升沢小屋まで足をのばしてみましょう。
期 日 3月18日(日)
会 費 500円
集 合 大和町 午前7時30分
〈 行動予定 〉 リーダー(K K夫) サブリーダー(C葉 B彰)
集合場所 ―――― 旗 坂 ――――― 升沢小屋
7:30 8:30 13:00
旗 坂 ――――― 集合場所(解散)
16:00 17:00
※ 防寒と防雪対策は充分に。昼食、行動食、防寒具、セーター、手袋、帽子など、寒くない服装。
※ 山靴にスパッツでも可。スノーシュー、カンジキは持っている人だけで結構です。
※ まほろばホールと旗坂間の車での移動は相乗りをお願いします。
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2月初旬に世話人会をもち、今年の活動計画が決まりました。 |
5月27日 体験林業 笹刈り、除伐、間伐
6月17日 大倉沢から三峰山(健脚向け)
8月27日〜9月2日 ブナの森作品展
9月30日 紅葉の船形山頂小屋へ薪を揚げます
体験林業「遊々の森」で間伐した杉材を有効活用として山頂避難小屋へ緊急時の登山者が
一時の暖をとるマキとして荷揚げします。紅葉を楽しみながら一汗かきましょう。
10月28日 体験林業 笹刈り、除伐、間伐
【世話人会でお話された「私の今年の抱負」の一部を紹介します】
M: 「餅つき」できるものと楽しみに参加した。来年の世話人会でもつきたい。
S: 昨年は会の行事に半分しか参加出来なった。100%目指したい。
S: 冬期ひきこもり状態で図書館の本を乱読している。「スクール」の語源は「ヒマ」ということだそうだ が、現実は反対の状況ですね。
A: 昨年は薪揚げのみの参加でした。今年は体験林業を楽しみにしています。
O: 去年は畑の苗をもらい栽培した。食料自給向上を目指します。
A: 去年は5回参加。今年は100%目指します。
S: 初参加以来19年を経過。今年も体調を整え100%参加目指します。K: 升沢小屋が去年10月完成。管理は大和町、管理人には山頂小屋と同じ顔ぶれになりそう。小屋に関しご意見などお聞かせください。
C: 「船形山からのブナ便り」のホームページを再オープンし、アクセスが9000件を超えました。皆さんからも記事や情報など寄せて下さい。
O: 体力的にも大変になってきているが、毎日1時間ほど歩いて鍛えています。
Y: 去年の前半は好調でしたが後半はふるいませんでした。今年は頑張ります。
T: 体調を整えて。
K: 他の会にも参加していますがこの会は2年目になります。毎日がサンデー状況です。
T: クマとの遭遇などを思うとつい恐怖心を感じ山行きの足が引っ張られています。去年のツキノワグマの集会に参加できず残念でした。
I: 昨年の行事9回中3回参加。不参加6回は体調不良、法事、旅行などでした。紅顔の中年男の頃の41歳から参加しています。
T: 升沢小屋、山頂小屋への2泊山行などよいかなと思っています。
I: 久方ぶりの参加。母親の介護で主婦をやっています。女性はすごいと感じています。畑、田んぼ(無農薬)倒れたけれどうまい米です。
S: 2泊山行、私も行きたい。100%参加したい。
H: 昨年の薪揚げに行けず残念。キスリングを背負い参加するつもりでした。
T: 地球温暖化に危惧しています。
K: 暖かい冬、体も春向きになっているのか。今日は雪が降って本調子。
M: 退職後小さい山でも積極的に登っている。体力維持が肝要。
K: 笹刈の木々も立派に生長しています。私も再生したいな。
I: ビニールハウスの中に路地野菜を移植、手作りに楽しさやうまさを感じます。
T: 皆さん平等に一歳年をとっています。体調には充分な配慮を。
O: 強い意志を持ちつつ11ヶ月を過ごしたい。
(事務局より)発言内容の微妙なニュアンスの違いはご容赦願います。
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【 寄 稿 】
「船形の会と山の思い出」
青葉区 M.Iさん
会の最初の反対運動
船形山のブナが営林署によって伐採されていることに小関さんらが危機感をもち船形山の観察会を行った。それは「船形山のブナを守る会」が結成される前であったから今から20数年前になるだろうか。私も新聞報道をみて飛び入り参加した。素晴らしいブナ林や伐採跡地を見せていただいた。山を下りてから薬来山の麓で集会があり、ブナ林伐採を阻止する話合いがもたれた。30名ほどだと思うが、山をこよなく愛する純粋な人たちが大部分で、自然保護運動の経験がないらしく、どのような運動をしたらよいか暗中模索していたように見受けた。そこで、私はこの集会の名において営林署に対し「ブナ林を伐採しないよう要望する」電報を打つことを提案した。そして電文案を書き司会者に示したところ、一同の賛成を得て電報を打った。これは船形山のブナを守る会が発足する前であるから会の活動ではないが、その後間もなく結成されたので、会の最初の運動であったと言ってもよいと思う。
懐かしい船形山への思い
個人的なことだが、昭和20年後半、学生であったころマージャンなどして遊んでいた。遊んでいても仕方ないから区切りをつけるため、その仲間と道なき道の冒険登山をすることになった。北泉岳から坊主岳(三峰岳)を通り蛇ケ岳から船形山に登り、東根に下るコースを5万分の1の地図をみただけで選んだ。北泉から蛇ケ岳までは地図に道がない。案内書などは勿論なく同行3名は登山の経験もない。磁石と時計と地図だけが頼りで、2泊3日の予定でテントを担ぎ出掛けた。山で迷ったら戻ることができるように、100mおきに木に印をつけながら登って行った。若さの至りで無謀といえば無謀な計画だが、多くの経験をして無事予定通り下山した。
山がこれほど素晴らしいとは思わなかったし、船形山の山頂に立って眺めると、世界は広いが自分の目の中にあることを実感し、無謀でもやればできることを体感した。その後、時々登山するようになった。船形山は私の人生で大きな転機を与えてくれたと思っている。今でもその時使った5万分の1の地図を大切に持っている。
このような経験があって船形山のブナを守る会に参加し、その後森林保護運動や環境運動の原点になった。感謝の山登りをしなければならないと思っている。
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【 寄 稿 】
2月の世話人会の協議事項のなかに「国有林内の天然林を環境省に移管し保全する改革に関する請願書」と言う一事項がありました。会の議決内容は是とするものですが、この機会に林野行政(財政)の「その後」を確認してみました。
98年より施行された「国有林野事業の改革のための特別措置法」の主とする内容は、国有林野事業特別会計を独立採算制前提から一般会計繰入を前提とするものに移行させ(但し、独立採算制を表現する「企業的に運営し」の文言は削除されず、会計のあり方は損益計算が従来通り行われ借入金投入の制限はない。)この前提条件のもとで、3兆8千億円の累積債務のうち2兆8千億円を一般会計へ移し、1兆円は国有林野事業特別会計に残すことであった。
法制度化に基づく財政の「再建計画」については様々な問題点が指摘された。特に林野庁の収支試算を根拠とする抜本的改革における04年からの林産物収入の大幅な増加は「虚構の蓄積に基づく虚構の計画」と言われた。
06年7月28日付け朝日新聞「私の視点」で河野昭一は言っている。「99年からの5年間を経て借金は2千8百億円増え、『新規借入金なしの収支均衡』が至上命令となり、せっぱ詰まった林野庁が手をつけたのが『虎の子』の天然林の大規模伐採である。」
まことに大雑把ですが、以上のようなことになります。資料は上記の外に「森林環境の経済学」山岸清隆、「国有林会計論」野中郁江に依っています。確かな現状認識は何をするにも大事なことですが、その後のこと又間違いを教えて頂ければ幸いです。
色麻町 K.Iさん
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【 お便り紹介 】
いつも環境保護活動にご奮闘され、敬意を表します。私も15年間ほど環境活動に携ってきましたが、最近の10年は主に環境講演と国内外の植樹活動を重点として時間を費やしてきました。
しかし齢(よわい)80歳を数え、肉体的に植樹活動はだんだん無理になってきました。山に登るにも人の手を借りてやっと登るような始末です。これからは肉体的活動から少し離れ、無理のないやり方で続けていきたいと思っています。変わらないご厚誼をお願いたします。少しばかりですが支援金としてお送りいたします。ご受納ください。 足立区 M.W さん
【 お便り紹介 】
船形山のブナを守る会の皆様へ
いつも私たちが作ったリサイクル封筒を使用していただきありがとうございます。私達は日常活動としてリサイクル封筒作りをしています。リサイクル封筒を作ることは、資源を大切にし、森林を伐採から守ることにもつながります。特別な活動ではありませんが、環境を守ることに役立てると思うと嬉しいです。これからもリサイクル封筒を作る意味を考えて活動していきたいです。
私達はリサイクル封筒の他にリサイクルキャンドルも作っています。作ったろうそくは阪神淡路大震災の慰霊祭で使われたり、地元の行事で使われたりしました。この活動も突きつめれば石油を大切にし、環境を守ることにもつながるかと思います。
このように、私達もできることから環境を守る活動を続けていこうと思います。皆さんも頑張ってください。
2006年12月
南陽高校JRC部一同
※ 南陽高校JRC部の皆様リサイクル封筒のカンパに感謝申し上げております。ブナ通信を折りながら封入する時、封筒一枚一枚に環境への熱い思いが込められていることを感じておりました。皆様のように若い世代の方々が環境に関し具体的な行動を起すことに大きな共感と頼もしさを感じています。山登りで頂上に向かうのと同じように、お互い一歩一歩確実に踏みしめながら目標に向かって歩みましょう。 (事務局)
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皆様の熱い想いとカンパを頂戴いたしありがとうございました。
カンパを頂いた方には申し訳ありませんが、WEB上のことにつき、お名前は伏せさせていただきます。
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【 事務局より 】
今回の「船形山ブナ通信」からEメール配信を開始いたしました。
セピア色の通信用紙とリサイクル封筒などでの「船形山のブナを守る会」独特のお便りは基本ですので今後とも続けていきますが、Eメール配信でも可という方は下記アドレスまでご連絡ください。次回より配信させていただきます。
aonm-ta@river.sannet.ne.jp