2月4日 平成19年の「船形山のブナを守る会」世話人会が開催されました。

毎年この時期に行われるのですが、この集まりから今年もブナの会の活動が始まるんだなあ〜と言う気持ちになってきます。また昼食に用意される鴨うどんやつきたての餅も年間を通しての楽しみの一つでもあります。

議題に先立ち、親川R子さんの講演があり、主に牡鹿半島における鹿の食害とブナ科の植物の害虫である「カシノナガキクイムシ」についてのお話を聞くことが出来ました。
尾瀬などでも大きな問題となっているニホンジカの食害ですが、ここ宮城県でも牡鹿半島を中心に被害の拡大が懸念されるそうです。現在ニホンジカの天敵となる動物が居ないため個体数の調整が効かず、食害による森林の裸地化が深刻な問題となっているようです。食害が進むと森が再生されなくなり草原化して行きます。さらにそこの草も食べられてしまうわけですから、裸地となってしまいます。そうすると土壌の流出が起こり、牡鹿半島周辺の優良な漁場の崩壊へと繋がってゆくのだそうです。さらに牡鹿半島から内陸へと鹿の勢力は拡大傾向にあり、林業被害や農作物の被害も今後心配されることになりそうです。しかし、県では予算不足のため鹿の個体数調査さえされていないのが実態のようです。
野生動物の個体数調整と言うと、脇の沢の北限のニホンザルに代表されるように「かわいそう」と言う感情論が先行して、植生や農林被害などの現実が直視されていないという問題もあるようです。

※Google検索で「鹿 食害」と入力したら43,100件のヒットがありました。今となっては野生動物と人間の共生は人間の力が及ばないと無理なことなのでしょうか?

続いて「カシノナガキクイムシ」ですが、ブナ・ミズナラ・コナラ・クリ・カシなどの広葉樹を集団枯損させてしまう害虫で、幸いにまだ宮城県では被害確認されていないそうですが、主に日本海側を北上中らしいです。
予防策としては早期に発見し被害の拡大を防ぐことが大切らしいので、立ち枯れの木を見つけた際には注意して観察してみることにした方が良いみたいです。発見した場合は早期に森林管理署へ報告をお願いしたいとのことでした。
もともと在来種なのだそうですが、炭焼きなどで人が生活として山に入らなくなったことや中国などの大気汚染の影響で酸性雨によることが大量発生の原因として考えられるそうです。

※「カシノナガキクイムシ」に付いては富山県林業技術センター林業試験場のサイトに詳しく載っていました。

 

協議事項としては

1.「国有林の天然林を環境省に移管し保全する改革に関する請願書」

  表題の通りの嘆願書の集約活動の動きがあります。「国有林野事業の抜本改革」以降も奥山において天然林の伐採が現在もなお続けられていることをとらえ、林野庁にレッドカードを突きつけ、天然林の管理保全を環境省に移管するべきだという内容です。船形山のブナを守る会としての統一見解はありません。
 日本の天然林を救う全国連絡会議のサイトに詳細が公表されていますので、興味のある方はそちらをご覧下さい。

2.鳴瀬川水系筒砂子ダム

川は誰のもの?ということで、世話人会一同の意見がまとまりました。建設反対の具体的活動が始まります。
筒砂子ダムについては、2002年6月に当会の有志が県庁を訪ね浅野知事(当時)に建設反対・中止を直接要請したという経緯があります。筒砂子ダム(宮城県ホームページ)
しかし、18年12月21日の河北新報には下記のような記事が掲載されています。

◎筒砂子ダム建設2年ぶり復活 事業費10倍以上に

 2007年度政府予算の財務省原案で、筒砂子ダム(加美町)建設事業が2年ぶりに補助事業として予算化された。06年度は県の財政難などを背景に「当面の事業促進が見込めない」として予算に盛り込まれなかった。補助事業から1度外れたダム計画の復活は珍しい。

 事業費は5000万円。県が単独で水質や流量の調査を続けた06年度の400万円に比べ、10倍以上に増える。県は07年度事業として、800億円と見込んできた事業費を10%以上減らす新たな工法の検討作業や、環境影響調査などを進める考え。

 筒砂子ダムをめぐっては02年5月、県が財政難を背景に事業休止を決定。地元自治体などの猛反発で同8月に撤回し、03年度以降も国の補助事業として継続した。

 ところが、06年度予算で国がダム建設費の重点配分を進め、予算化が見送りに。県は行政評価委員会に判断を仰ぎ、継続が妥当との回答を引き出す一方、策定中の鳴瀬川水系河川整備計画で筒砂子ダムの費用対効果が最良と強調し、復活の条件を整えてきた。

 加美町の星明朗町長は「知事の決断と大崎地域の首長、元首長、地域の皆さんの運動が実った。予算計上を機に、ダム整備が加速度的に進むことを期待したい」と話している。

多くの方のご意見をお聞きしたいと思います。ゲストブックかメールにてご意見をお寄せください。


その他、自然保護を通して平和を願う気持ちや、参加者各人の今年の抱負などについて楽しく語り合いました。
年間行事についてはトップページに掲載していますが、詳細については「ブナ通信」
や当サイトにてお知らせして行きます。

是非皆さんも一度「船形山のブナを守る会」の活動に参加してみませんか?
とっても「わかり易く」「開放的で」「堅苦しくない」集まりですよ。会員資格だって「ブナを想う人」これだけです。知ってる人が一人もいなくても、一度も参加したことがなくても、会員名簿に載っていなくても「自分はブナの会の会員だ」と思えばあなたは立派な会員なのですから・・・・。

なお、「ブナ通信」はメールでの配信も可能になりましたので、ご希望の方はゲストブックまたはメールでお知らせください。ハンドルネームのみでの送信はご遠慮ください。
mt_funagata@yahoo.co.jp
迷惑メール対策として、メールリンクは設定していません。上記アドレスをメールソフトに貼り付けてください。


(戻る)        (トップページへ)

inserted by FC2 system