船形山から体験林業とツキノワグマの便り

 10月22日、「船形山のブナを守る会」恒例行事となりました体験林業(笹刈り、除伐・間伐)が行われました。
早いもので今年で6年目、回数も12回目となりました。6年目となれば今までの経験も蓄積され、作業効率もだいぶ良くなってきたのではないでしょうか。そして、ずっと同じ場所で作業を行ってきた人にとっては、その場所の変化や笹刈り・間伐の効用というのも実感出来て来たのではないかと思います。
 まず笹刈りの現場では、ブナをはじめとした広葉樹の成長。初年度には笹に隠れて小指ほどの細さだったのが、今では3mを越え自分たちの頭のはるか上まで大きくなっていたそうです。笹の高さより上に出てきた広葉樹の数も多くなり、あと5〜6年もすれば何の手も加えなくとも森に変わって行くことでしょう。参加した皆さんからの最後の感想も以前は伐採されたブナのこと、除草剤や笹の繁殖など批判的な意見が多かったようですが、今回は成長してきた広葉樹への希望、何年か後の森を想像したりと明るい話が多くなってきたようです。
 除伐・間伐の現場も日当たりが良くなり残った杉は順調に成長しているようですし、広葉樹の成長も順調のようです。ここもあと数年もすれば、綺麗な混交林へと変わってゆくことでしょう。

 左の写真は間伐した杉の年輪です。よくご覧になってください、5年目くらいまでは順調に成長してきましたが、その後はほとんど成長していないのが分かると思います。
植林して15年ぐらい経つと森林が過密になったり不良木が発生したりします。そこで植栽木を間引く「間伐」が必要となります。  山に植林された苗木は、15年くらいたつと、お互いが混み合うくらいに成長します。 この混み合った状態が続くと、林の中は暗く、下草が生えない状態になり、雨によって土壌が流出しやすくなります。  また、混み合っていると他の良木が十分に生育できないので、幹が細く貧弱な林となってしまいます。このような不成績造林地は人手不足や不採算性といったことから全く手をつけていないと言うのが現状のようです。船形山の中にこのような貧弱な森は似合いません。早く立派な混交林になって欲しいと願って止みません。 

 

 作業のあとは、美味しいカモ汁がおなかをすかせた皆さんを待っています。
これを食べたくてこの行事に参加する人もいる?ほど美味しいんですよ!
ご覧になっているあなたも今度は食べに来てみませんか?

 

 

 

 

 

今日は早めに作業は終了して、紅葉の升沢遊歩道を歩こうという事になり、任意参加で遊歩道を一周してきました。
途中でこのサイトからもリンクしている「ENJOY船形山」の主宰者であるSさんと会い、途中でツキノワグマが木から下りてくるところに遭遇したとのこと。普通だったら、足も止まるところですが「まだいるかな!」って逆に早足になるのですから困ったモンです。ツキノワグマには会えませんでしたが、急斜面の上の方からこちらを眺めているカモシカを見ることは出来ました。すりばち沼の紅葉は綺麗でしたよ。

 

 

 

 

 

 

今年は山のブナをはじめとしたドングリが不作で、里に下りてくるツキノワグマの話題が新聞やテレビで多く報道されていますが、山ではどうにか栗は実を付けているようで、栗の木には多くのクマ棚が出来ていました。

栗の木に残されたクマ棚
木に登って手前に枝を引き寄せて実を食べる
ので、折れた枝が重なって棚のようになるのです。
木の幹に残された爪跡。
体の大きさの割りには結構細い木にも
登るようです。
周辺には多くの糞が残っていました。
タバコの箱と比べるとその大きさが分かるでしょう。
食べた栗の皮。
大きい身体でずいぶん器用に食べるのですね!

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