船形山から 「ありがとう・さようなら升沢小屋」

久しぶりの更新です。このWebをご覧になって頂いている皆さんからも、どうしたの?と言う声がけっこうありましたが、実は40肩?右肩がとても痛くて腕が上にあがらなくなってしまって、ザックを担ぐ時にも激痛が走る・・・という状態で山に遊びに行けずにいたのです。
でも、今日は大和町の「船形山岳会」主催で来月から解体がはじまる升沢小屋のお別れセレモニーが行われると言うので、肩の痛みを堪えて船形山に行ってきたと言う訳です。

歩くのも久しぶりなので、無理せずに大滝キャンプ場から山頂を経由して、沢を下って升沢小屋に行くことにしました。小荒沢林道の入り口に「道路補修工事の為通行止め」という立て看板が立っており、大和町側でもどこか土砂崩れでもあったのかと思いましたが、色麻町の保野川林道の上部の崩壊地のことで大滝キャンプ場へは普通に行くことが出来ました。家を出る時は小雨模様でしたが、登山口に着く頃には雲の上に出たらしく綺麗な青空が広がっており、緑が濃くなってきたブナ林と相まって、もうすっかり夏山なんだな〜と思うような登山開始となりました。

 

できるだけザックも軽くしてきたので、ほとんど負担にならない程度に軽快に歩くことが出来、周りのブナ林へ目を向けながら高度を稼いで行きます。ん〜肩が痛いのは山に来ないからかな〜?とか、このブナ林が与えてくれる、マイナスイオンやフィトンチッドなんかの効果で、肩の痛みが無くなればいいな〜〜なんて思いながら歩っていたら、小屋管理人の先輩のKさんが下りてきました。今日のセレモニーに参加するのは知っていましたから、どこかで会えるとは思っていましたがこんなところで会うなんて!旗坂から升沢コースで山頂に行って、大滝キャンプ場まで下ったら三光の宮経由でまた登り返して升沢小屋に向かうのだそうです!

 

予定通りに1時間ちょっとで稜線に出てみたら、綺麗な雲海が眼下に広がっており正面には月山、そのまま右方向に顔を向けると鳥海山、神室連峰、栗駒山が雲上に頭だけ出しているような格好で望むことが出来ました。山頂小屋に着いて小屋の中の片付けなどをしていたら、ちょくちょく一緒になるSさんがやって来ました。聞けば今日の登山で船形山登頂がちょうど100回になるとの事で、9月には大和町のまほろばホールで記念のイベントを行う予定との事です。えっ?私は何回登っているかって?実は全く数えていないんですよね。まあ100回は超えているのは間違いないと思うのですが・・・。最初から数えていれば良かったのですが、今から数えてもしょうがないですね。
Sさんも11時からのイベントに参加予定との事で、小屋でおしゃべりをしながら時間をつぶして、一緒に沢を下ることにしました。沢の途中では、いやらしく残った雪渓に注意し、しかもなるべく右肩に不意に力がかかることの無いように気をつけながら下りて、途中では遅咲きのシラネアオイやサンカヨウの花の写真を撮ることが出来ました。

さて、升沢小屋ですが、現在の小屋は昭和38年建設で40数年間に渡り升沢コースの登山者に親しまれてきたことになります。船形山岳会のY会長は当時の建設にも関わりがあったとの事で、今日の参加者の中でも特別の思いがあったのではないでしょうか。
升沢小屋に関しては今日の参加者それぞれに思い出があるようで、高校山岳部時代に屋根まで埋まった雪を掻き分けて小屋に入り込んだ話や、愛犬と一緒に泊まったときの話などおもしろく聞くことが出来ました。
旗坂キャンプ場までの道路が整備され、今ではこの升沢小屋を宿泊に利用する人は少なくなったようですが、以前は今の登山口のずっと手前の嘉太神の入り口あたりから歩かなければならなかったので、山中で少なくとも2泊しなければ山頂を踏むことは出来なかったらしいです。それを考えれば、今はボロいとか暗くて気持ち悪いなんて言われている升沢小屋ですが、当時の登山者はどれほどのの恩恵を受けたことでしょうか?
時代も変り、老朽化の進んだ小屋の再建は当然の成り行きなのかも知れません。
今年の秋に完成予定の新升沢小屋は3年に渡り検討を重ね、我々登山者や救助隊の意見やアイディアを取り入れた皆さんにもきっと満足できるような小屋として生まれ変わることでしょう。水場が近くブナ林の中に建つ便利できれいな小屋として親しんでゆきたいと思っています。
そして、今日のキャッチフレーズ「ありがとう・さようなら升沢小屋」

こんな感じの小屋になる予定です。

基礎の高さが1.5m、屋根頂上高約7m、
約5mの高さに冬用の出入り口が設けら
れ、完全循環式のバイオトイレが完備です。

これ以上の詳細は、出来てからの
お楽しみって事にしておいて下さい。

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