船形山から残雪登山の便り

4月30日、気の合った7人のメンバーで船形山山頂まで行ってきました。東京から参加の大の船形ファンKKさんをはじめ女性3人男性4人の仲間達で、ブナの会の新人Sさんのルートファインディングの勉強も兼ねての登山となりました。年間山行200日を誇る鉄人Iさんはスキーを担いでの登山開始となりました。天気予報ではあまり芳しくない見込みでしたが、現地に着いてみると程よい日当たりで風も無く絶好の登山日和になりそうな気配でした。ブナの新緑にはまだ早いようですが旗坂キャンプ場の雪も完全に無くなり、カタクリやスミレ、イワウチワ、エンレイソウなどの花が咲き始めた登山道をゆっくりと登りはじめます。旗坂平からは残雪も見え始め、一群平を過ぎたあたりからはほとんど雪の上を歩くようになり、Iさんも担ぎ上げたスキーを履いて快調に歩き始めることが出来るようになりました。

 

 

鳴清水の手前からSさんのルートファインディングの練習が始まります。地形図上の磁北線の必要性、コンパスのセットの仕方、自分の進むべき方向の設定方法、現在地の確認方法など今日のSさんは覚えなければならないことがいっぱいです。(ルートファインデングのHow toについては専門参考書などをご覧になってくださいね。あえてここでは書きません。)S隊長なんて冷やかされながらSさんが先頭を歩きますが、今日は安心して歩くことが出来るでしょう!なんたって山頂避難小屋管理人の先輩Kさんも一緒なのですから・・・。今でこそほとんど記憶だけで歩けるようになっているKさんですが、さすが360回を超える船形山登山の賜物でしょうね。以前のブナの便りにも書いていますが、この時期に三光の宮から升沢小屋にかけてのルートを踏跡だけを頼りに歩くのはいかがなものかと思います。赤布もいたるところにあり、踏跡だって信用できるものだけと限りません。登りはいいとしても一雨くれば登ったときのトレースも消えてしまうし、ガスってくれば地形的にもはっきりしないところが多くかなり分かりにくいところだと思いますよ。GW期間中に山頂を目指す人はルートファインディングの技術だけは身に付けて来てくださいね。過去に迷っている人と何度もお会いしたことがありますが、地形図とコンパスは持っていても使い方が分からないという人が多いのにはビックリしちゃいます。

ブナ林はまだ積雪2mは超えているでしょう。升沢小屋も庇の高さ位までの雪が残っており、まだ中に入ることは出来ません。実はこの升沢小屋ですが今年度中には建替えられる予定なんです。3年くらい前から升沢小屋再建検討委員会なるものが発足し(私も委員の一人でした)検討を重ねて来ましたが、設計コンペも終わりいよいよ大和町の今年度予算として承認されました。建設場所は今と同じところになりますが、トイレもあり冬季の利用も可能になるように入り口も考えてありますから冬季の山頂登山の良いベースになるでしょうし、長いと言われている升沢コースのちょうど良い休憩場所として利用価値は高いと思います。皆さん楽しみにしていてくださいね!

 

 

 

升沢小屋からは雪に埋まった沢を登りますが、やはりここはこの時期の雪渓歩きのほうが楽ですよね。小屋からほとんど休憩なしで登って来たので、新人のSさんはややバテ気味ですが、立ち止まったすぐ後に先輩のKSお姉さんから「さあ、行くよ!」の一言に「鬼ですね・・・」のつぶやきを私は聞き漏らしませんでした。稜線上は雪も融け、夏道を歩くことが出来ます。予定通りに12時10分山頂到着。先着のIさんが綺麗にしてくれていた小屋の中で楽しく昼食。先日お知らせした通り小屋の窓は枠ごと吹き飛んでしまっていますが、今日は風も無く気温も温かいので快適に過ごすことが出来ました。でも、5月中はテンとかツェルトを持参しないと小屋泊まりはちょっと厳しそうです。約1時間を山頂で過ごし、来た道を戻ることにしました。スキーのIさんは別行動で苦労して登った雪渓を一人でスイスイと滑り降りて行ったようです。途中で小雨とガスに当りましたが、どちらもすぐあがり、暑くも寒くも無く本当に良い登山日和でした。これからブナの芽吹きも始まり、新緑と残雪のコントラストがとても綺麗な季節の始まりです。私の一番好きな季節もこれからの時期です。

ブナモヤシ、豊作だった翌年の春に
見つけることが出来ます。

三光の宮手前のブナ林。柔らかい日差しの中を
こんなふうに歩くのはとても気持ちがいいものです。

根周り穴からは、ブナの温かさを感じることが
出来ます。春ですね〜!

1100m付近からの山頂の眺め。
左のほうを巻いて山頂を目指します。

昨日は月山、一昨日は鳥海山
年間山行200日の鉄人Iさん。

登りは辛くても下りは快適。
正面に見えるのはタカラ森。


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