ブナの会 三光の宮山行の便り

3月26日 ブナ通信WEB版でもお知らせしていた「船形山のブナを守る会」の三光の宮山行に参加してきました。
世話人会の年間行事予定でも一番最初に決まるのはこの山行で、皆さん毎年楽しみに参加されていますし、私自身も大いに楽しんでいます。今回は天候も穏やかで、最近降雪も無かったので歩くのはとても楽ができそうです。集合場所のまほろばホールには時間前から大勢の参加者が集まっており、ブナの会の行事初参加の方も10名近く来ていただくことができました。このHPを見て参加を決めてくれた方もいて、集合場所で声をかけていただいた時にはすごく嬉しかったですね!

登山口は今の時期、駐車スペースは限られている為いつものように乗り合わせで旗坂キャンプ場へ向かいます。何年か前には登山口の駐車場まで綺麗に除雪されていたことがあったのですが、冬季の積雪量によって除雪費用が余った時には除雪もするみたいですが、今年は12月から結構雪が降ったので除雪費用は赤字みたいですね。
例年なら2月や3月の初めに降雪があり、この山行の時にも新雪の上を歩くことも多いのですが、今年は年末にはかなりの積雪があったものの、2月以降は好天が続き現在は雪がかなり締まっていて残雪の量も少なめです。スノーシューやワカン持参の人も多かったのですが、雪の状態から今日一番の使いではアイゼンのようでした。私もワカンを持って行きましたが使うほどのことはありませんでした。
これから登り始めという時に何の前触れもなく、リーダーはKさん、サブリーダーはチバさんってご指名を受けてしまいました。事前の打ち合わせもなく、その場で決まってしまうこの会のアバウトさも良いところのひとつで、それが良くて参加が続いているという人も少なくないのです。しかし、それは決していいかげんなものではなく、トップとラストを山頂避難小屋コンビが務めるわけですから参加者の皆さんも心強い限りでしょう。Kさんと私のコンビはこのパターンでの山行は結構こなしているのでもう慣れたものです。
極端にペースの遅れ気味の人や体力的に相当きつそうな人もいなくて、最後尾についたのをいいことにゆっくりのんびり周りの人達との会話を楽しむことが出来ました。
写真は標高1000m前後でバックに見えている山は北泉ケ岳です。

左の写真は私のお気に入りの黒森の北斜面ブナ林です。
普段歩けないところを歩くことが出来るのも今の時期のいいところで、この巨木は夏道から少し下ったところにありますから雪のある時期にしかなかなか直接触れることが出来ません。深く根周り穴が出来ているのはブナのぬくもりです。ブナが体温を持っているというか、正確にはブナの幹や枝が太陽の光と熱を浴びてそのぬくもりで雪が昇華して出来るとのことです。
このことをもう少し掘り下げてみましょう。太陽エネルギーには様々な働きがありますが、ここ船形山でも自然の生態系の根源になっていることに注目してみました。太陽は植物の生命を作ります。光合成によって出来た植物の命(葉、幹、茎、花、実など)は草食動物や鳥、昆虫などに食べられます(肉食動物の熊も食べますが・・・)そこで太陽エネルギーの一部は肉に変換されると言うことですね。草食動物(ノウサギやネズミ、リスなど)は肉食動物(テン、キツネ、猛禽類など)に食べられそれによって太陽エネルギーは肉食動物にも分配されるということになります。これを食物連鎖と言い、このシステム全体を「生態系(エコシステム)」と呼ぶんですね。
融けた雪は沢になり、川となって私たちが毎日食べているお米を作る源になる訳ですよね!残雪貴の登山を登山としてだけ楽しむのもけっこうなことですが、「生態系」の視点から回りの景色を眺めるようにすると、生きるもの全てが密接に関わりあってくるのが分かってきます。ここで「船形山のブナを守る会」の趣旨を読み返してみると、農業を生業とする小関代表の想いも理解しやすくなるのではないでしょうか?

昼食を終え下山にかかると今日のメインイベントの尻セードの始まりです。このときばかりは皆さん年齢を忘れ、童心にかえって大はしゃぎです。今日の雪は締まりもいいので良く滑ること滑ること!言葉に表すより写真をご覧になっていただいたほうがいいみたいですね。

汗だくになって登った急坂が尻セードには
絶好!

すべり過ぎて激突!どちらも子どもみたいに
笑ってます!

どうですか?楽しそうでしょう。次回はご覧になっているあなたの参加をお待ちしていますよ。(今回参加出来なかった皆さん、来年もありますから・・・)

今回は40人以上が参加しました

ブナ林の中でミーティング

ミーティングの最中に現れたヒメネズミ

笹刈りの解説をするKさん

伐採地周辺の立ち枯れたブナ

森林の再生、笹刈り現場の看板


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