船形山から厳冬のブナ林の便り

2月16日、山スキーで三光の宮まで行ってきました。8:30頃旗坂キャンプ場に着きましたが、車は1台もありません。先週から雪の状態はまったく変っていて、新雪が40cmくらいはありそうで、一人ラッセルはちょっときつそうです。まあ、いけるところまで行って来ようと思い歩き始めますが、スキーを履いても膝下近くまで雪に埋もれてしまいます。旗坂平あたりまで来たらもう汗だくです。2月といえば厳冬期の真っ只中のはずですが、気温もだいぶ高いようでまるで3月下旬くらいの感じです。アウターを脱いでシャツ姿で歩きますがまったく寒さを感じません。見通しもいいので迷うことなく夏道をたどります。(道は全く見えませんヨ)

最近このHPもけっこう見てくれる人が増えて、船形山に行くときはここで情報収集という人もいるようですが、この日天気が良く、アウターなしでも歩けるとは言っても、それは今だけのことで、1日のうちでも午前と午後ではガラリと天候が変ることもあるし、ましてや何日か経ったら雪の状態なんか全然違いますから、一通りの冬山装備は必ず用意してくださいね。私もこんなにいい天気で日帰りの予定ですが、最低でも一晩は過ごせるだけの食料と防寒着、ツエルトは必ず持っています。いろんな山岳遭難事故がありますが、その中でツエルトさえ持っていれば亡くならずに済んだという事故がけっこうあるような気がします。

例年よりだいぶ雪の量は少ないようですが、さすがに鳴清水を超え標高も1000m近くなってくるとブナには氷が張り付き、尾根の端には雪庇が張り出し、厳冬期のブナ林の姿を見せてくれます。そうです、私はこの景色が見たくてエッチラオッチラと雪の山を登ってきたんです。
三光の宮に着けば、あいにく船形山の山頂はガスに包まれて姿を見せませんが、北丸松保沢を挟んで、三峰山がガスの切れ目から厳しい冬の表情を見せています。三光の宮は風が当たりちょっと寒かったので、少し下ったところで一休みします。登ってきたときにも思いましたが、今年は動物の足跡がいつもの年より少ないような感じがしました。昨秋のブナの実などの大不作が影響しているのでしょうか?

下りは、笑ちゃうようなスキー技術と気温のせいで重くなった深雪で、滑らない曲がらないという大苦戦。雪まみれになって下山しました。

三光の宮(2月16日)

長倉尾根をバックに三光の宮にて


2月17日は「船形山のブナを守る会」の厳冬のブナ林観察会で小荒沢林道トレッキングに行ってきました。ブナの会でも初めての2月の観察会だったので、参加者が少ないのでは?との心配がありましたが、天候にも恵まれ約40人の参加者が集まりました。山スキーやスノーシュー、ワカンジキの人もいれば長靴だけの人もいます。でもこれだけ人が多ければツボ足でも大丈夫でしょう。息子の康平もワカンを履いて元気に参加です。先頭集団で歩きますが、足跡のついていない林の中を歩くのが楽しいようで、積極的に林道をショートカットしていきます。昨日に続いて今日もまるで春山のような陽気でみんなも楽しそうです。この林道は船形山色麻コース登山口の入り口、大滝キャンプ場へと続く道なので普段は車でしか通ったことが無く、歩きながら周りの風景・ブナ林をゆっくり見るのは初めてという人がほとんどでした。湧き水でのどを潤し、林道脇のミズナラに出来た熊棚なんかを眺めながらゆっくり歩きます。目的地の大和町と色麻町の境界の広場で昼食にしますが、ここは普段風の通り道で休憩には不適な場所なんですけど、今日は風も無く日差しも暖かいので最高の休憩場所です。北の方には虎毛山、高松岳、禿岳など、南には長倉尾根、北泉・泉が岳が展望できます。最高の天気の中、初めて冬の山に入った人たちにも喜んでもらえたようでした。今度は吹雪の中の山行も経験してもらいたいですね。(参加者はベテランだけだったりして・・・)


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