船形山からシャクナゲの便り

7月7日、早朝5:00起きたら、きれいな青空が広がっていました。これは山に行かなくちゃあ!と思い、いつものザックを担いで家を出ます。私のザックには、いつでも山に行けるように、常に道具一式入っているんです。出かけにすることは、テルモスに詰めるお湯を沸かすことくらい。家から1分走れば船形山の山頂が見えますが、ちょうど山頂部分にだけ雲がかかっています。風もけっこうあったので、そのうち雲も飛ぶんじゃあないかと思います。さすがに7月にもなれば、下から船形山の残雪はまったく見えません。
いつもの旗坂キャンプ場に車を止めますが、5:30まだ誰も来ていないようです。靴を履いていたら、1台の車がやってきて、草刈の準備を始めました。「権現茶屋」の早坂さんでした。集団移転で里に住むようになってからも、キャンプ場周辺や、遊歩道の草刈は行っているとの事。お互いの近況などを少し話してから、登り始めます。今の季節、下のほうは花も終わり、特に写真を撮りたいところもないので、どんどん先に進み、三光の宮まで一気に歩きつづけました。鳴清水のちょっと上で、子熊と思われる糞を見つけました。形も崩れていないので、つい先ほどのような感じがします。ちょっと歩いたら、風に乗って、獣の匂いがしてきました。動物園などに行ったときの匂いです。以前イワナ釣りをしていたときに2mくらいのところで熊に遭遇したことがありますが、そのときも同じ匂いがしていたので、きっと近くにいたのでしょう。

今日は、天気がいいんですが、けっこう風があり、そんなに暑さを感じません。升沢小屋から上の沢にも雪は完全に消えていますが、最近雪がとけたばかりと思われるところには、キスミレや、サンカヨウ、シラネアオイなんかが咲いていました。

まったっく雪のないこの沢を登るのは、とても暫くぶりのような感じがします。雪渓が残っているときのほうが、やっぱり登りやすいですよね。

稜線に出たら、シャクナゲの花が派手に出迎えてくれました。今シーズン6回目の山頂になりますが、来るたびに違う花が迎えてくれます。シャクナゲを両脇に見ながら観音寺コース分岐につけば、足元にはウスユキソウが咲いています。残念ながら山頂のガスは晴れず、展望は効きません。小屋で最近九州から引っ越してきたと言う、ご夫婦と会ってしばらく話をしましたが、熊の話になったとき、九州の山に登るとき熊の存在を感じながら歩いたことはなかったとのこと。船形山の熊の存在にかなり興味を持って聞いてくれました。ツキノワグマは、本州に生息する最大の哺乳類ですが、九州は絶滅、四国もほぼ絶滅したであろうと言われています。言い換えれば、九州や四国にツキノワグマが生活できるような広範囲の自然がなくなってしまったと言うことです。熊の息遣いが感じられるような豊かな自然を身近に持っていることを誇りに思い、また、船形山の熊を悪者にしないように、つまり事故のないように登山者もそれなりの対策をとっていかなければと思います。当HPにも登場する、大和町のKさんが、船形山のブナを守る会の機関紙に「ちょっと変です、いまどきのクマ」と言う題で、投稿文を寄せていますので、次回にでも紹介したいと思います。

 

下りは、蛇が岳から草原コースを歩きましたが、残雪はかなり少なくなっていて、完全に夏道が露出しています。でも、まだ草は茶色くて雪が解けたばかりの部分も多く、お花畑は見ることが出来ませんでした。この雪がなくなった頃、トキソウが咲き始めることでしょう・・・。

 


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