船形山から霧の千本松山の便り

6月9日、朝ちょっと寝坊して、子供たちが学校に行くまで寝ていたので、今日はちょっと遅出です。天気もあまり良くなく、曇り空だったので色麻町大滝コースから登ることにします。鈴沼の霧景の写真でも撮れたらいいなあって気持ちです。升沢から、大滝キャンプ場に向かって車を走らせますが、小荒沢林道は、霧が濃く写真どころか車の走行も怖いくらいです。こんなに霧が濃かったら、山に入る人も少ないんじゃあないかと思っていましたが、キャンプ場の駐車場にはけっこう車が止まっていていました。鈴沼の写真もこれじゃダメです。船形山山麓には、鈴沼が2つあり、1つはここで、もう1つは桑沼のちょっと上にあるスズ沼です。この辺(宮城県だけでしょうか?)では、清水の湧くところ「しみず」がなまって「スミズ」そして「スズ」となったと言われます。

結局、登り始めは、12:00ちょっと前になってしまいましたが、まあ、1:00前には山頂につけるだろうと思い、歩き始めます。管理人の腕章をつけてゴミを拾いながら歩いていると、けっこういろんな人から声をかけられたり、山のことを聞かれたりしますが、今日は、このWEBを見てくれている人から声をかけられ、すごく嬉しかったんです。息子の「康平」もたびたび登場しているので、「今日は康平君は一緒じゃないんですか?」なんて言われると、これからパートナーとして、もっと鍛えてやらなくては・・・と思います。
このコースは、5日前の山開き前はほとんど歩く人がいなかった為か、あまりゴミは落ちていません。山開きの時に、「Kさん」が、参加者の女性の方に、船形山の升沢コースはゴミが少ないですね、といわれたそうで、毎週のようにKさんと私でゴミ拾いしながら歩いていますが、きれいな印象を持ってくれる人がいると、とても嬉しいです。やっぱり人間って、他にもゴミがいっぱいあれば、自分も捨ててもあまり罪悪感って感じないんじゃないでしょうか。私も自然保護団体には参加していますが、結局は一人一人の心がけって事ですよね。


御来光岩から、ツツジの花に迎えられながら稜線を歩きます。山頂にはけっこう人がいて、食事をしています。ミヤマキンバイは、ちょっと終わりかけですが、ミヤマシオガマが咲き始め、黄色の中に赤が目立ちます。でもやっぱり去年と比べると花の数も少ないし、鮮やかさもそれほどではありません。

小屋の掃除をして、山開きの時に運んだ、ペットボトルの空いたものを持って帰ります。外のドラム缶はとりあえずビニールで補修したので、水は溜まっています。そこでこのWEBを見ている人にお願いなんですが、山頂に行ったら、小屋のトイレにバケツで2杯くらい水を入れてほしいんです。微生物浄化式のトイレなので、水があふれることはありません。トイレ掃除をしていたら、生理用品がバケツの下に置いてありました。トイレに捨てるのはいけないとの認識は持っていたのでしょうが、だったら何故それを持って帰る事をしないのか、理解に苦しみます。

下りは、升沢コースの三光の宮分岐から、戻ることにします。沢はまだ雪渓が残っていて、升沢小屋まではあっという間に下ることが出来ます。15分くらいだったでしょうか。
升沢小屋には東京から来たという5人の女性グループが泊まるとの事。ちょっと話をしたら船形山のブナが好きで毎年のように来ているとか。ここのブナのファンって全国にいるもんですね。

 

三光の宮から千本松山にかけては、標高が下がってきたせいか、また霧が深くなっています。風もなく、霧が深いこんな時って動物に会いやすいので、ちょっと緊張します。でも、近くに人がいない中、こんな幻想的な景色を見ながら歩いていると、なんか夢の中の出来事みたいで、時間の感覚や時代の感覚がなくなっていくような気がします。ちょんまげを結った旅人や、修験行者が向こうから歩いてきても、ちっとも不思議じゃないような気になってきます。普段の生活の中で、数百年の変わらないでそこにあるものを目にすることって、ほとんどありませんが、この山に立っているブナやキタゴヨウなんかは、それこそ何百年の間そこに立っているのですから・・・。


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