船形山から4月の冬山便り

4月1日、Kさんと、Oさん、私の3人で船形山の山頂を目指し、06:15旗坂登山口を出発しました。先週、ブナの会で三光の宮まで行ったばかりですが、今日は3人パーティーで身動きを軽くしての雪中登山です。先週はすごく天気がよく、快適な登山でしたが、今日はあまりよくありません。先日降った雪で、先週より積雪量は増えていてここ数日で、30センチくらい積もったようです。、歩くのが大変で、旗坂キャンプ場の駐車場のところから、早速、足ごしらえをはじめます。Kさんと私はスノーシュー、Oさんはワカンです。Kさんがトップでグイグイ引っ張りますが、私はなんか調子があまりよくありません。ここのところ仕事が忙しく、疲れ気味なんです。本当は山に来ないで寝てるべきなんでしょうが、やっぱり来てしまいます。山に行くのはストレス解消になって良いのでしょうね?と、よく聞かれますが、私たちが山へ来るのは、決してストレス解消の為なんかじゃあないんです、山に来ることそのものが好きだからに他ありません。仕事や生活のストレスより、山に来られない為のストレスの方がずっと強いのです。

旗坂平から一群平へ、トレースの無い新雪の上を一列になって進みます。標高があがるにつれ、積雪量は増えているようです。Oさんはピッケルを持って歩きますが、ふわふわの新雪でまったく役に立たないようです。4月の山ですからもう少し締まった雪を想定していましたが、予想は完全にはずれです。夏道では頭のずっと上にある登山道の番号標識も今日は足元です。

左の写真は、三光の宮の先、大滝キャンプ場への分岐点のところですが、分岐標識もまったく雪の下で積雪量の多さを物語っています。ここから升沢小屋までのルートは、けっこうわかりにくく、積雪期に迷いやすいのが、ここから先です。去年も迷っている人を3人くらい引っ張っています。その人たちは、みんな装備はしっかりしていて、地形図やコンパスも持っているんですが、なんと使い方が分からないという、お粗末な人たちでした。ある人は、アイゼンも持ってきていましたが、装着方法がわからず、私が付けてあげたというおまけつきでした。船形山の積雪期をなめてちゃあダメですよね。そういえば、こんな人もいました。新雪期に私が駐車場でスキーを履いていたら、アイゼンとピッケルを持って準備をしている人と会ったんです。新品のピッケルと、雪の状態から見てまったく役に立ちそうの無い、けっこう高価そうなワンタッチアイゼンでした。ちょと心配になって声をかけてみたら、船形山に来るのは初めてで、無雪期にも来たことが無いとか・・・地図は持ってますか?と聞いたら、なんと!10万分の1くらいの道路地図を出したのです。何とか諭して山に入るのはやめてもらいましたけど、こんな人が雪山とは・・・。

Kさんの間違いないルートで、升沢小屋に着きましたが、屋根の部分10センチくらいが出ているだけで、まったく使い物になりません。この分じゃ小屋が使えるようになるのは、5月の下旬くらいになるのではないでしょうか。雪も降り出して条件はますます厳しくなります。沢はひざ上くらいのラッセルが予想される為、千畳敷までの直登ルートを取りますが、雪の状態も気持ち悪く、表層雪崩の危険もあり、吹雪はいっそう強まってきたようなので、稜線に出る前に撤退を決めました。まあ、今の時期に楽に登らせてくれる山じゃあ面白くないので、これはこれでよしとして、次回の楽しみにとっておこう・・・。

 
屋根の上まで積雪の残る升沢小屋と、千畳敷手前の急斜面を慎重にトラバースするOさん。


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