船形山から親子残雪登山の便り

 3月25日、「船形山のブナを守る会」恒例、三光の宮への雪中登山に、5年生の息子、康平をつれて行ってきました。
 当日は、天候にも恵まれ、参加者も40人ほど集まりました。今年は雪が多く、車を降りたらすぐ、ワカンをつけなくてはならないほどの、残雪でした。例年は、登山口の付近にはマンサクの花が咲き、春の訪れを感じさせる頃なんですけど、今年は半月以上、遅れているなあ・・と言った感じです。
 康平は、ブナの会の山行には、何度か参加していて、去年の秋にも三光の宮まで登っているんですが、無雪期の登山は「ヘナチョコ」なんで、雪のある時期に行ってみたいとのことで、参加することになった次第。2メートル近く残っている雪の上をワカンをつけて歩くのは初めてなんですが、けっこう楽しそうに歩いています。集団登山なので、歩くスピードはゆっくりですが、天候が良いのでシャツだけになって、手袋も脱いでも寒くありません。木々の間から、コガラやゴジュウカラのさえずりが聞こえてくる中をみんな好きなところを歩いています。道に頼らずどこでも歩けるこの時期ならではのことです。

途中、去年の秋頃のものと思われる「熊棚」(ツキノワグマが木の実を食べるために、木に登り枝を折ったあと)や、ノウサギの食痕などを見ながら、三光の宮に向かいます。今の時期ですからほとんど直登なんですが、康平もまったく疲れを見せずについて来ます。約3時間かけて三光の宮に到着。北泉ケ岳から三峰山・蛇ケ岳そして船形山まで、一望です。

 
親子で、三峰山と船形山をバックに、なかなかいい写真でしょう?下りは、ワカンをはずし、急坂では得意のシリセード(お尻をついて雪の斜面を滑り降りる)で、大人も子供に戻って大はしゃぎです。康平のすごく楽しそうな顔をお母さんにも見せてやりたかった。山での笑顔は、里で見るよりすっごくいい顔に見えます。

「船形山のブナを守る会」では、今年からブナ林再生のお手伝いとして、笹刈りをはじめます。伐採後の林床の中からブナの稚樹を探し、その周りの笹を刈って、稚樹の育成を助けようというものです。
 人間が壊してしまった原生林を人間の手で再生をしようと言うのは、人間の傲慢でしかありません。私たちと山や森との関係を考えるとき、決して人間の方が優位であるなんて思うべきじゃあありません。山に入れば分かります。わずかに残ったブナ林も私たち人間を拒みもせずに暖かく迎え入れてくれ、やさしさや温もり、そして生命力を与えてくれるのですから・・・。

 

 

 


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