船形山から花の便り


6月17日、今日は山頂避難小屋へトイレットペーパーの荷揚げです。というのも、6・7・8月の3ヶ月間、町役場から山頂避難小屋の管理を委託されたのです。船形連峰御所山連絡協議会に加盟している自治体から、2名づつ交代で管理することになり大和町からは、K氏と私が依頼されたのです。まあ、月に何回かは登っているし、船形山に対しては強い思い入れがあるので、こういう形でも役に立てることができれば、嬉しいと思います。

天気予報ではあまり良くないとのことで、朝、家を出た時は霧が濃く、こりゃあ霧中登山だなあ・・と思っていましたが、登山口に向かうにつれ、天気が良くなり山頂もすっかり見えてきました。先週来た時には、登山口あたりはタニウツギの派手なピンクで迎えられたものでしたが、代わりに蝦夷春ゼミの鳴き声が派手に迎えてくれます。一群平あたりにくるとセミの声も収まり、例年より少し遅れているかなあと思います。標高を上げるにつれ、タムシバやムシカリの白い花が、先週や先々週見かけたところよりも高い所に咲いています。ショウジョウバカマやシラネアオイ、ミツバオウレンなど場所や標高によって、前に来た所とは別な所に咲いているのを見ると、山の季節の移ろいを感じます。

雪渓を詰め千畳敷を過ぎ、山頂に出ると黄色のじゅうたんに赤い模様をあしらったように、ミヤマキンバイとタカネシオガマのお花畑が広がっています。青空の下、風もなく、お花畑の向こうには雪を少し残した山々が連なっています。梅雨のさなかだと言うのに、この天気に、この景色、あ〜〜たまりません!!山の形も配列も変わらないのに、いつ来ても違う表情を見せてくれます。本当に「山も生きてるんだなあ」と思います。この至上な時を満喫し、昨日までの一週間の疲れを癒し、明日からの一週間の活力を山からもらい、感謝の気持ちをこめて山頂付近のゴミを拾います。タバコの吸殻くらい持って帰ってよね!!!(怒)小屋の薪を整理し、掃除をしますが、今日は風もなく天気が良いので、みんな外で休んでいて、ほこりを立てても平気です。

帰りは、蛇ケ岳をまわることにして小屋をあとにします。草原のあたりはまだ残雪が多く、蛇ケ岳直下から池糖までまっすぐ雪の上を歩けました。草原は、結構雪が多くあと1ヶ月くらいは残るんじゃあないでしょうか。暦ではもう夏ですが、残雪の下はまだ冬です。厚い残雪が解けた所から、春が始まります。雪どけを待ちわびた草花が一斉に芽を出し始め、コイワカガミが群落を作っていました。

次にくる時には、また別の所に咲いているのでしょうね。今日は、天気にも恵まれ、とても気持ちのいい山歩きでした。今度は、ぜひご一緒したいものです。


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千葉 文:B.Chiba
宮城県黒川郡大和町吉岡
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